1991年に歯科医院を開業し、痛いと言われる患者様の笑顔を取り戻すため、一生懸命虫歯を削り、神経を抜き、抜歯をしてきました。
ところが数年たつと、治した歯が再び虫歯になったりぐらついて患者様が再来します。原因はバイオフィルムであるということはわかってはいますが、「疾患が発生してから歯科医院に通い始める」のでは遅いということに気づき始めました。
一度治した歯を繰り返し治療したり、抜歯をするのではなく、できるだけ皆さんの歯を守ることが一番大事なのです。つまり「疾患が発生しないようにリスクコントロールをするために歯医者さんに通っていただく」これが当院の考える予防歯科【ロイヤル・ヘルス・プログラム(RHP)】です。
Step 0 1 カウンセリング
患者様の抱えるトラブルや希望をうかがいます。
Step 0 2 徹底的な検査による状態・原因の把握
患者様の口腔内の状況を詳しく検査・診断し、現状のリスクを徹底的に把握し、患者様への説明をしっかり行います。
Step 0 3 施術
患者様の口腔内状態を徹底的に改善するための処置を行い、細菌の量と質をリセットします。
Step 0 4 再評価
術前・術後のデータを比較し、歯周病菌の悪玉菌優位の菌叢(きんそう)から善玉菌優位の菌叢に変化したかを確認します。
Step 0 5 予防メンテナンス
2度と歯周病に感染しないように細菌レベルで衛生士が管理します。定期的な施術と年に1回の歯科ドック(リスク検査を含む)を行います。
(1) ほとんど痛みを伴わず、精神的・肉体的な負担が少ない。
(2) 治療期間と来院回数の大幅な減少
従来は週1回の治療で数か月かかっていた治療が、平均5~6回の来院で終えることができる。
(3) 患者様の虫歯や歯周病の再発への不安や恐怖の軽減
(4) 口腔内状態を精密な検査データとして記録・保管していくため、継続的な健康管理も可能
(1)物理的コントロール(口腔内清掃)
各自のお口の状態に合わせたブラッシング方法の指導、お口に合った歯ブラシの処方をいたします。抗菌薬・抗真菌シロップを用いコントロールしながら行います。
(2)プロバイオティクスの処方
優れた善玉菌を摂取することで、体の中にいる菌のバランスを整え体質を変えていく細菌療法です。口腔内に対してはロイテリ菌を処方いたします。
(3)化学的コントロール
高濃度次亜水(Poicウォーター)うがい、3DSトレーを用いたフッ素ジェル、フッ素歯磨き剤の処方をいたします。
(1)除菌・溶菌
高濃度次亜水を用いた全顎イリゲーションから始まる施術です。菌血症(細菌が血管から入り全身に回る感染症)を予防し、徹底的に除菌・溶菌します。
(2)物理的コントロール
ペリソルブを使用したスケーリング・ルートプーニングや、EMSエアフローによるバイオフィルムやステインの徹底的な除去をいたします。
(3)化学的コントロール
虫歯菌・歯周病菌を除菌する3DSペーストと3DSトレーを用い、PMTCが終わった後のマイクロコロニーを除菌します。
(4)エナメルトリートメント
ナノ粒子のハイドロキシアパタイトやポリリン酸等含有のペーストでエナメル質結晶を補修し整えることで、歯をピカピカにし、知覚過敏の予防や虫歯抑制効果も期待できます。
※3DSとは?
唾液検査(リスク検査)で、虫歯・歯周病の存在が確認された場合、それらは感染症であり、生活習慣病です。
細菌はバイオフィルムという、水に溶けない膜で覆われて繁殖しています。バイオフィルムの中にいる細菌には抗菌剤投与では制圧不可能です。物理的にバイオイルムを極限まで減らし、ばらばらになった浮遊細菌またはマイクロコロニーに対し、唾液で希釈されないよう注意しながら薬剤除菌する方法が大変効果的です。
そのため、お口にぴったりフィットするオーダーメイドのマウスピーストレーを使い、歯面や歯周ポケット内に薬剤を一定時間作用させる方法です。「デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム」の、頭文字をとって3つの「D」のシステムの略で「3DS]と言います。